谷川俊太郎さん&谷川賢作さん、「みのお市民人権フォーラム30th」に登場

2015.12.05.sat/グリーンホール

谷川俊太郎さん&谷川賢作さん、「みのお市民人権フォーラム30th」に登場

今年で30回目となる「みのお市民人権フォーラム」が、12月5日(土曜日)・6日(日曜日)の二日に渡って開催されました。
全体会は12月5日(土曜日)、グリーンホールにて。
 開会のことば、来賓の挨拶に続いて、「ヒューマンメッセージ大賞表彰式」が行われました。これは「他人から浴びせられた言葉で落ち込んだり、勇気づけられたりした体験や思い」を70文字以内にまとめた作品を募集したもので、寄せられた多くの作品から優秀なものが選ばれました。舞台上には小学生から大人まで、たくさんの入選者が並んで、作品が読み上げられる中、一人ずつ表彰状を受け取りました。

続いて、いよいよメイン・イベント。
「人と人をつなぐ詩と音楽の協奏 音をつむぐ 言葉をつむぐ 想いをつなぐ」と題して、詩人の谷川俊太郎さん、作曲家・ピアニストの谷川賢作さん、親子二人の共演が行われました。
 日本を代表する詩人として知られる、谷川俊太郎さん。舞台に登場するやいなや、「おや、ワインがありますね」とボトルを取り上げ、グラスにトクトクトク…。観客に向かって、乾杯するようにグラスを差し上げながらの挨拶に、会場もどっと和みました。
 ゆったりと椅子に腰かけ、俊太郎さんは自作の詩を読み上げます。「人権、という言葉を、直接、詩の中で使ったことはない」という俊太郎さんですが、隠れたメッセージとして人権への思いが込められた作品が、この日は披露されました。
 息子の賢作さんは、ピアノの前に座って、俊太郎さんの詩にじっと耳を傾けます。そして俊太郎さんが一息つくと、賢作さんのピアノが音楽を奏で始めます。「埴生の宿」のメロディが、静かに会場を満たしていきます。
「やっぱり音楽はいいね」と、俊太郎さん。
「実はもうすぐ、孫ができることになりまして」と発表する賢作さんに対して「詩人にはなるな、って言っといて。生活が大変だから(笑)」。会場も笑いに包まれました。
 時おりワインを口にしながら、詩を次々と朗読する俊太郎さん。賢作さんのピアノに合わせて歌を披露する場面もあり、盛んな拍手を受けていました。
 舞台の上でも、ずっとリラックスしたようすの谷川親子のやりとりに、すっかり引き込まれながら過ごす時間は、あっという間。最後に「生きる」という詩が朗読されると、大ホールを埋め尽くした観客からは、惜しみない拍手が送り続けられました。

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