さくらの下で花いちもんめ…「めんぎょ」の花見

2014.04.12.sat/とんど山桜園(白島3丁目)

さくらの下で花いちもんめ…「めんぎょ」の花見

かーってうれしい花いちもんめ
まけーてくやしい花いちもんめ…

桜の木の下から、遊ぶ子どもたちの歌声が聞こえてきます。
白島3丁目の山ぞいにある「とんど山桜園」で、4月12日(土曜日)に行われた「めんぎょの花見」での風景です。
「めんぎょ」は昭和30年代まで行われてきた、箕面の伝統的な花見の行事です。毎年、春の一日を選んで、その日ばかりは仕事も学校も休んで、弁当を持って山に行き、大人も子どもも楽しくのんびり過ごすというもの。「免業」がなまって「めんぎょ」になったとも、仏教の「無縁経」からきているとも言われています。
 久しく途絶えていた伝統が、2009年から復活し、今では地域のかたなど多くの人が訪れる人気の催しとなっています。

 今年の「めんぎょ」は晴天に恵まれました。市街地の桜はほとんど散ってしまいましたが、少し標高が高いためか、ここではまだ半分ほど花びらが残っていました。
 大人たちはシートを広げて、花の宴。大なべに煮えた豚汁が、次々に振る舞われていきます。時おり轟く「ボシュウウウン」の音と白煙は、ポン菓子の機械から。こちらの振る舞いは子ども限定で、「私はもらえないの?」と残念そうな元・子ども(数十年前?)のかたも。
 さて、現役の子どもたちに用意されていたのは「宝探し」のイベントでした。池のほとりを巡ってしばらく歩くと、小さな神社にたどり着きます。その境内で、番号が書いてある葉っぱを見つけた子には、素敵な景品が…!ということで、子どもたちは片っ端から落ち葉をひっくり返して、懸命に探していました。「あった!」見つけた葉っぱを高く掲げて、嬉しそうな顔の子どもたちでした。
 昔遊びのコーナーでは、懐かしい昔の遊びを大人たちが教える予定でしたが、子どもたちはいつの間にか「花いちもんめ」を、自然に始めていました。

かーってうれしい花いちもんめ
まけーてくやいし花いちもんめ
たんすながもちあの子がほしい
あの子じゃわからん
そうだんしよう
そうしよう べーっ!

地方や世代によって、微妙に言葉が変わる「花いちもんめ」。この子たちは「そうしよう」の後に「べーっ!」とアッカンベーをするスタイルでした。

きーまった
○○ちゃんがほしい
△△ちゃんをかえせ

じゃん けん ぽん!

かってうれしい、まけてくやしいの言葉通りになり、そしてまた次の勝負が始まります。楽しそうな声に、そばで見ていた小さい子も混ざりたそう。遊んでいた年上の子が「一緒にやりたいん?名前は?○○ちゃんていうの。じゃ、いっしょにやろ!」と手をつないで、仲間に入れてあげていました。
 そんなようすを、周囲の大人たちは微笑ましく見守っています。「私らもよう遊びましたな」「ちょっと言葉が違うけどね」「私は静岡の出で、うちの方では…」と、こんな会話も弾んでいました。
 自然工作のコーナーでは、どんぐりのコマやヤジロベー作り、木の実の試食もあり、参加者はのんびりと工作に興じていました。
 思い思いに「めんぎょ」を楽しむみなさん。シートに寝そべり日光浴としゃれ込む女の子、景色を楽しむ親子、談笑するお母さんたち、アルコールが入って顔を赤くしているお父さん…青空と緑の草と桜色、そんな春の色に包まれた別天地で、のどかな時間がゆっくりと流れていました。

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