一中生徒会の被災地報告

2012.03.01.thu/箕面市役所

一中生徒会の被災地報告

今年の2月17日(金曜日)〜19日(日曜日)、箕面市立第一中学校生徒会の役員4名が、東日本大震災の被災地である岩手県の大槌町、釜石市を訪問しました。街頭募金で集めた義援金35万9274円、プランター、メッセージカード、絵本100冊などを現地に届け、大槌中学校の生徒と交流するなど、箕面の中学生代表として使命を果たしてきた一中生徒会のみなさん。3月1日(木曜日)には箕面市役所を訪れ、市長の前で被災地訪問のようすを報告しました。

「現地に行くまでは、震災から1年が経とうとしていることもあり、復興が進んでいると思っていましたが、それは間違いでした」
大槌中学校の生徒に迎えられ、初めはお互い緊張していたものの、すぐに打ち解けて仲良くなったというみなさん。方言交流も行ったということです。
「箕面からのメッセージカードが、とても喜んでもらえて…。募金も渡すことができて、ひとまず役割を果たせてよかったと思いました」
震災当時のDVDには、津波と火災、叫び声、あっという間に街が消えていくようすが生々しく収められていて、改めて震災の恐ろしさが身にしみたといいます。
そのあと、被害を受けた校舎の見学では、ひしゃげた車が山積みとなったグラウンド、浸水した1・2階ではほとんどの窓ガラスが抜け、床も天井も外れ落ち、泥が残ったままの状態を確認しました。
「一番ひどかったのは、家庭科室だった所でした。火災を起こした家が、津波で流されて燃えながら衝突して、コンクリートの壁は壊れ、高熱でブレーカーが溶けていました」

家庭科の先生が、大切に使っていた教室だったのにね…。

大槌中の生徒がそのときつぶやいた一言が、強く記憶に残ったそうです。
震災によって、大槌中では二人の生徒が亡くなりました。旧校舎に残されたその生徒の机には、「大好きだよ」と級友からのメッセージが書かれていました。

仮設住宅を訪問した生徒会のみなさんは、その狭さに驚きました。冬は窓が凍って開かなくなり、風呂も追い炊きができないなど、困難な状況が続いています。そんな中、被災地の住民たちからは
「本当に来てくれてありがとう。いっぱい支援をもらって、感謝しています。
 私たちがみなさんにできるお返しは、精いっぱい笑顔で毎日を生きることだと思っています」
そんな人たちの姿に、「こちらが逆に元気をもらった」と口をそろえる生徒会のみなさんでした。
「1年が経ち、現地ではボランティアが減っています。震災が忘れかけられている、そのことが心配です」
これからも自分たちにできることを考え、継続的な支援に取組みたい。決意を持って語る中学生たちの言葉に、居合わせた大人も感じ入っていました。

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