もの云わぬ拓本が語りかける…「止々呂美の石碑展」

2011.09.06.tue/箕面市立郷土資料館

もの云わぬ拓本が語りかける…「止々呂美の石碑展」

 箕面市立郷土資料館では、毎年この時期に「石碑」をテーマにした企画展を行ってきました。
 今年は「止々呂美(とどろみ)の石碑展」と題して、止々呂美地域の石碑26基を取り上げ、72枚の拓本で紹介しています。古来から能勢街道・亀岡街道が通る交通の要所である止々呂美には、中世から近世にかけての石造物が点在しており、当時の人々の暮らしや文化、信仰をしのばせてくれます。
 道標、燈籠、石仏…中でも「日月大高不動尊」は、不動明王の背中に翼があり、他に類を見ないものだそうです。大きな自然石に六体の地蔵を刻んだ「一石六地蔵」も、市内ではここだけという珍しいものです。街道沿いの常夜燈や神社の燈籠に彫られた寄進者の姓名は、風雨に摩滅して判読できない文字もありますが、昔の人の思いを今に伝えるよすがとなっています。
 「拓本」は、石碑に紙を湿らせながら貼り付け、その上からタンポで軽く叩くようにして墨を置いていく技法で、彫られた文字の部分が白く浮かび上がります。誤解されやすいのですが、石碑に直接墨を塗って写し取っている訳ではありません(そうすると左右逆の鏡文字になってしまいます)。

箕面市立郷土資料館「止々呂美の石碑展」
9/2(金)〜10/31(月)午前10時〜午後5時
入場無料 ※木曜日は休館

page top