2011.06.12.sun/箕面文化・交流センター

箕面文化・交流センター8階大会議室で『今村彩子上映・シンポジウム「映画で共に生きる社会を」〜被災地を取材した記録から』が開催されました。
主催の『「障害とともに」を考える企画グループちまちま工房』では、箕面市外で「障害者とともに働き、暮らす」ことを実践されているかたの講演会を企画しており、今回で2回目になります。
100人以上の参加があり、みなさんじぃっと聞き入っていました。
1部は、今村彩子さんが監督をつとめたドキュメンタリー映画「架け橋〜東日本大震災 宮城の被災者は今〜」1と2を上映。
ろう者である今村彩子さんは、大学での講師をする一方、様々な立場の人が自分らしく輝くことのできる社会をつくっていこうとろう・難聴者を取り上げたドキュメンタリー映画を制作されています。
2部は、ちまちま工房の永田千砂さんがコーディネーターをつとめ、シンポジストには東日本大震災の被災地に行かれた今村彩子さんと古井正代さんを招いてのシンポジウム。
古井正代さんは、脳性まひ者の生活と健康を考える会の代表で、4月に福島県に入られ、南相馬市と飯館村で被災地の現状に触れられたそうです。
このシンポジウムでは、「今私たちができることは〜東日本大震災の取材・救援の報告から」と題し、今村彩子さんから取材を通してろう者の置かれている現状の報告、被災障害者の救援活動をされている古井正代さんから福島の方々の現状を報告があり、それぞれの話から一人ひとりができることを考え、実践へとつないでいく方法を考えていきました。
お二人の報告で印象に残ったのは、被災障害者のかたやはり相当困難な状況に置かれているんだということ。今村さんの映画の中では、避難所で我慢強く生活を続けるろう者の女性が紹介されていました。手話のできるかたが誰もいないなか、一生懸命暮らされていました。今村さんが語りかけると、我慢していた何かがあふれ出すように涙がこぼれていました。情報が手に入らないだけでなく、手続きや相談ごとが山積する状況で、手話通訳者が完全に不足しているとのこと。
古川さんの報告でも、震災時の苦難はもちろん、その後の避難所でも知的・精神の障害がある人は暮らしづらく、周囲のかたとの摩擦などもあり家に戻るしかないという場合も少なくないようです。
想像以上の状況に、様々な角度からの支援を今すぐに始めなければいけないと感じました。
また福島県を訪れた古川さんは、県民のかたがあちらこちらで暮らしづらくなったり、偏見に悩まされている話をされ、いま日本はあらたな差別を生み出そうとしているとおっしゃっていたことが心に残り、心のバリアフリー化に何ができるのだろうと考えさせられました。